同窓生の姉妹は運動場に呼び出され…95歳、消えぬ記憶

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聞き手・守真弓
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 アジア・オセアニア地域の多くのひとびとを巻き込んだ太平洋戦争。当時を知る世代の高齢化が進む中、高級ホテルチェーンのシャングリラホテルなどを創業したマレーシア出身の実業家、ロバート・クオック氏(95)が朝日新聞の取材に応じ、自身の戦争体験を語った。

 クオック氏は、砂糖取引や不動産業などで成功した。米誌フォーブスの今年の富豪ランキングではマレーシアで首位で、昨年はマハティール首相(94)を支える賢人会議のメンバーも務めた。インタビューにほとんど応じないことで知られるが、2年前に出版した自身の回想録で書いた戦時体験をテーマに7月に香港で取材に応じた。

一人残らず殺された

 ――あなたは取材を受けないことで有名です。なぜ応じたのですか。

 若い人に歴史を知ってほしいからです。以前、家族ぐるみで親しかった若い日本人女性に、戦争体験を話したことがあります。話し終えた後、彼女に「あなたの話は信じられない。日本の教科書には書いていなかった」と言われ、ショックを受けた。私は虐殺を目の前で見たわけではありません。でも身近な人が殺され、多くの悲しい出来事があったことを知っています。

 ――どのような出来事を見聞きしたのですか。

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 私の暮らしていたマレーシア…

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