(特派員メモ)あの日本兵の記憶 @インド・インパール

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奈良部健
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 「歩くのもやっとの日本兵が村に来て、指を口元にやるしぐさをして食べ物を求めてきた。ご飯を食べてもらっていると、妹が『首に米粒がついている』と言った。よくみたら、傷口についたウジ虫だった」

 1944年、日本軍がインド北東部の攻略を狙ったインパール作戦。インパール郊外のシャンシャク村に住んでいたアルトゥールさん(92)が青年期の経験を語ってくれた。村にあった英軍基地に行けば治療してくれるだろうと思い、引き渡した。

 日本軍が攻めて来た時、当初撤退した英国軍は村の民家を焼き払った。日本兵の隠れ家にならないようにするためだったとされるが、アルトゥールさんの家も焼失した。村の人たちが「日本人さえ来なければ」と嘆いていたのを覚えている。

 それでも、あの名前すら知ら…

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