まげを結い続け52年 白鵬の床山が定年「幸せ者だな」

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松本龍三郎
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 「床山」は大相撲の力士の髪形を結う職人だ。日本相撲協会に所属する53人のなかで、3人いる最高位「特等床山」の床蜂(とこはち)(64)=宮城野部屋=が、定年退職となる名古屋場所を終えた。平成以降は、白鵬のまげを結う床山として知られ、大横綱を舞台裏から支えてきた。

 千秋楽の結びで、白鵬は鶴竜に敗れ、春場所以来の優勝はならなかった。床蜂は「私の最後の場所に無理をして出てくれて、うれしいよ。長年お世話になりましたと言いたいね」。

 幕内最高優勝を決めた関取が、報道陣に囲まれながら大銀杏(おおいちょう)を直す――。床山にとってのハレの瞬間を、白鵬と一緒に42度も経験した。今でも最も印象深いのが、初優勝のときだ。「うれしさ半分、緊張したのが半分だったかな」

 それが、歴代最多回数をここまで更新するとは思ってもみなかった。「もう十分だよ」。そう語る表情には、どこか誇らしさが漂った。

 本名は加藤章(あきら)。横…

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