「国に帰れ(ゴー・バック)」。そう言われたことはありますか? 米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)が読者に体験談を募ったところ、6日間で1万6千件が寄せられた。出自や外見、宗教を理由とした差別意識が米社会に広く根を張っていることを示す。
NYTが経験を募集したきっかけは、トランプ大統領が、野党・民主党の非白人の新人女性議員4人に向けて言い放った14日のツイートだった。
「完全に破綻(はたん)した、犯罪まみれの国に帰って、立て直しを手伝ったらどうだ」
4人はそれぞれプエルトリコ系やアフリカ系、パレスチナ系などのルーツを持つが、ソマリア難民1人を除いて米国生まれ。差別的ともとれる発言に、民主党を中心に反発が起きた。
NYTは即日、ウェブサイトやソーシャルメディアを通じて「国に帰れ」と言われた経験を募り、19日に代表的な67件について自社サイトに掲載した。
カリフォルニア州の女性は12歳の時、スーパーマーケットで列に割り込んできた白人の中性女性に言われた。「メキシコに帰れ」
両親がイラン出身で、同州ロサンゼルス生まれの男性は「テロリスト」「ここはお前のいるところではない」と理由もなく批判を受けた。フィリピンから1970年代に移住し、市民権を得たイリノイ州シカゴの男性は12歳の頃、「母国に帰れ」と隣人から石を投げられた。
日本にルーツを持つ米国民の…
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