アサヒ、世界最大手から豪ビール買収 双方の思惑と懸念

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長橋亮文 シドニー=小暮哲夫 ロンドン=和気真也
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 ビール大手のアサヒグループホールディングス(GHD)が、豪州ビール最大手、カールトン&ユナイテッドブルワリーズを、113億ドル(約1兆2100億円)で買収すると発表した。サントリーによる米ビーム買収に次ぐ大型買収の裏には、どんな戦略があるのか。

カールトンなぜ手放す?

 カールトンの親会社でビール世界最大手のアンハイザー・ブッシュ(AB)インベブ(ベルギー)と合意した。ABインベブもアサヒGHDとの合意を発表した。今回買収するカールトンの「ビクトリアビター」は豪州のビール市場で高いシェアを占める有名ブランド。

 アサヒGHDは2016年10月にABインベブから西欧のビール事業を2945億円で、17年3月には同社の東欧のビール事業を8883億円で立て続けに買収。今年4月末には英国でパブやホテルを運営する「フラー・スミス&ターナー」の高級ビール事業を約370億円で買収しており、高級ビールの販路を世界中に拡大している。

 カールトンは豪南東部メルボルンに本拠を置く。19世紀に創業したビール会社6社が1907年に合併し、現在の社名になった。豪州の5カ所にある醸造所などで約1300人を雇用する。緑を基調にしたラベルでおなじみの「ビクトリアビター」や、「カールトンドラフト」「グレートノーザン」など豪州で人気のビールを多く生産・販売している。

 ABインベブは大量生産して…

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