浄瑠璃に導かれて直木賞 大島さん「虚構まみれ」の日々

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文・山崎聡 写真・江口和貴
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 第161回直木賞に、大島真寿美さん(56)の「渦 妹背山婦女庭訓 魂結び」(文芸春秋)が決まった。自在な「語り」が持ち味の作家が、人形浄瑠璃文楽との幸福な出会いをへて、新たな代表作を生んだ。「虚構にまみれて生きている」と話す、その訳は。

 せりふが地の文に溶け込むような文章で、物語を紡ぐ。「映像が見える書き手もいますが、私は声が聞こえる。語られる声を文章で写している感じがします」

 かぎ括弧にとらわれない自由自在な語り。人形浄瑠璃文楽に材を取り、大阪弁の表現が高く評価された受賞作は、まさに真骨頂だ。

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 江戸時代の大坂を舞台に、浄…

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