検証 4K放送は暗いのか④
より鮮明で美しい映像が楽しめるとされるBSの4K放送が2018年末に始まった。東京五輪を前に注目が高まるなか、首都圏のある個人電器店から朝日新聞に「『4K放送は暗い』と苦情がきている」との情報が寄せられた。同じテレビ2台を使った実験でも、4K放送は、従来の2K放送に比べて暗めに見える傾向が確認された。
映像の専門家によると、これにはHDRという4Kの映像信号の特性や、液晶テレビが以前よりも明るくなったこと、4Kテレビの「輝度(画面の明るさ)」などが関係している可能性があるという。
昨年末に始まったBSの4K放送が「暗く見える」との情報が朝日新聞に寄せられました。テレビの問題なのか、放送の問題なのか。原因と対策を追った取材の一部始終を6回のシリーズで伝えます。ご意見や感想は(keizai@asahi.com)にお寄せください。
まず映像はどのように作られているのか。
放送局関係者によると、放送局での4K映像づくりは「マスターモニター」という決まった輝度の画面で行われる。その最大輝度は1000nit(ニト=輝度を表す単位)。2Kは100nitだったので、従来の10倍もの幅で明暗のコントラストを表現できるという。
一方で、テレビに詳しい技術者らによると、家庭に出回っている大半の4Kテレビの最大輝度は1000nitを大幅に下回るという。
映像の作り手と受け手。それぞれの受像器の「輝度」に差があるのはなぜなのか。
記者は、パナソニック(株)…
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