岐阜市のがん検診誤通知で死亡、マニュアル無視常態化か

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高木文子
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 岐阜市が、がん検診の結果を誤って通知し、1人が胃がんのため死亡した問題で、検診結果を発送した中市民健康センターでは、誤入力を防ぐため職員2人で読み合わせするルールを、少なくとも2010年度から守っていなかった可能性があることが分かった。

 市によると、亡くなった50代の女性は1月10日に胃がんの検診を受けた。結果は「要精密検査」だったが、市の中市民健康センターが同月28日に「異常認めず」の通知を発送した。女性は4月に受診した医療機関で肺がんが見つかり、胃がんから転移したことがわかったという。市は「発見が遅れ、転移した可能性も否定できない」としている。

 岐阜市では、委託先の検診機関から届いたがん検診の結果を市職員がシステムに入力して発送している。今回は担当職員が入力を誤ったという。「異常認めず」と入力したため、医師の所見や判定などを図入りで示した検診票も、女性の手元には届かなかったという。

 市によると、誤入力を防ぐためマニュアルでは市職員2人で読み合わせをして確認することになっていたが、中市民健康センターでは少なくとも10年度以降、担当の市職員が1人で確認作業をしていたとみられる。18年度にこの職員から業務を引き継いだ現在の担当職員も「マニュアルは読み合わせとなっているが、2人で対面してやらなくても確認はできる」という趣旨の引き継ぎを受け、1人で確認していた。上司も入力前後のデータを照合していなかった。

 7月10日、当時がん治療中だった女性の家族からの問い合わせでミスが判明したという。岐阜市の柴橋正直市長は女性の死亡を受けて「市民の皆様のがん検診に対する信用を損なったことは、誠に遺憾であり、再発防止策を徹底させます」とコメントした。

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 市はデータが保存されている…

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