「大人のむし歯」防ぐには 根元ご注意、歯茎が衰えて…

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杉浦奈実
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 年を重ねるにつれて、子どもの時にできるむし歯とは特徴が違う「大人のむし歯」が増えてくる。歯の根元部分、歯茎との境目にできるむし歯で、磨き残しを気付きにくい。歯周病や加齢などで健康な歯茎が衰え、歯の根元がむき出しになった場合は注意が必要だ。どうすれば防げるのか。

 大阪府吹田市の女性(63)は、同市の安永歯科で歯科衛生士からむし歯を指摘された。歯周病の検査と歯の掃除に定期的に通う中で見つかった。右下の奥歯と、上の前歯の歯茎近くだった。

 むし歯は、口内の細菌が食べ物の残りかすを分解して出す酸が、歯を溶かして起きる。子どもや若者では歯の頭にできることが多い。年を取ってもこのタイプのむし歯はあるが、40代から増えてくるのは歯の根元にできるむし歯で、女性の場合もこれだった。

 歯の根元は本来、歯茎に埋まっている。この歯茎が下がって、根元が露出する原因は主に歯茎に炎症ができる「歯周病」だ。加齢の影響でも起きる。

 歯科医の安永哲也さんによると、女性はむし歯がわかる前に右下の歯茎が腫れ、歯がぐらぐらしてきたため受診し、歯周病と診断された。その後、歯周病の治療を受けた。炎症で腫れていた歯茎がひきしまったが、結果的に歯の根元が露出し、そこにむし歯ができたという。

 歯の頭は硬い「エナメル質」という成分で覆われているが、歯の根元はごく薄い「セメント質」の下に、すぐ「象牙質」がある状態だ。象牙質はエナメル質より溶けやすく、いったんむし歯になると症状が進みやすい。ひどくなると歯を失うことにもつながる。

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