特別な羽生九段 対戦は勝負度外視、楽しさと奥深さ実感

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杉本昌隆八段の「棋道愛楽」

 お盆休みに里帰りや家族旅行など、遠くへ出かけた方も多かったことでしょう。私は弟子との研究会やイベント出演など、将棋ざんまい。そして8月9日には、棋王戦の挑戦者決定トーナメントで約8年ぶりに羽生善治九段と公式戦で対局しました。

 アマチュアの方はもちろん、私たち棋士も「対戦したい棋士は?」と聞かれたら、「羽生九段」と答える人がほとんどでしょう。将棋界のスーパースターの羽生九段は、やはり特別な存在なのです。私も今回の対戦を楽しみにしていました。

 前回、将棋は「間の競技」と書きました。羽生九段との対局ほど、それを実感するときはありません。

 あえて手の広い局面に誘導する羽生九段の指し回しは「どうしますか?」と問いかけられているようで、一手ごとに考えさせられます。指し手を読むだけではなく、「この戦型をもっと研究しておくんだったなあ」と反省させられることも。対局中に、勝負を度外視して将棋の奥深さと楽しさを感じるときでもあります。

 対局は終盤に私のミスが出て負け。将棋は楽しくも、勝負は厳しいです。

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 東京での対局の感想戦が終わ…

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