パナソニックと「まちづくり」 トップダウンの新会社

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細見るい
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 大手自動車メーカーのトヨタ自動車と家電大手のパナソニックが、住宅事業を統合することを決めた。

 日本を代表する2社は、どうして住宅事業の分野で手を組むことにしたのか。

 トヨタにとっての住宅事業の始まりは1975年までさかのぼる。豊田章男社長の父親である章一郎名誉会長が肝いりで始めた。

 2003年には、住宅事業を社内から切りはなして「トヨタホーム」を設立。地元の愛知県を中心に、住宅の建設や販売を展開している。強みは戸建て住宅で、最長で60年にわたって保証する。

 章一郎氏は「住宅には、車より長くかかわったから思い入れがある」と周囲に語っている。愛知、栃木、山梨3県に構える工場にも積極的に足を運んだ。

 15年には、成長を求めて戸建て需要が強いインドネシアにも進出した。富裕層向け住宅の販売が好調で、今年から中高所得者向け住宅を売り出す。章一郎氏はインドネシアにも足を運んだという。

 ただ、主戦場である日本国内に目を向けると、少子高齢化で住宅販売の伸びが見込みにくい。野村総合研究所の試算によると、新設住宅着工戸数は95万戸(18年度)から63万戸(30年度)へと3割超も減ってしまう。

 子会社に、戸建て住宅の建築請負などを手がける「パナソニックホームズ」(旧パナホーム)を抱えるパナソニックにとっても、悩みは同じだった。

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