「政治に関心がない」「入れたい党がない」「忙しくて行けない」――。参院選では近年、有権者の4割以上が投票しない状況が続いている。読者の困りごとや疑問を取材している朝日新聞「#ニュース4U」が、SNSを通じて投票に行かないという人に理由を尋ねた。
定年後の男性「どこにも投票したくない」
「投票に行かないと決めている人がいたら、その理由を教えてください」。取材班がLINEやツイッターで意見を募った。
「与党は嫌だけど、野党もどれもダメ。どこにも投票したくない」。大阪府高槻市の男性(60)は選挙権を得てから約40年、欠かさず投票してきたが、今回の参院選で初めて行かないつもりだという。昨年、定年退職した後、テレビをみる時間が長くなった。2009年の民主党政権誕生時に期待感を持っていたが、国会中継を見て、今の野党は「批判ばかりで対案がない」と投票先を失ったように感じたという。
ほかにも「選挙で○○してみせます、と言ってもその通りにならない」(横浜市の48歳主婦)、「投票所で1歳半の娘を捕まえておけないから」(相模原市の27歳会社員女性)、「企業や団体が推したところが当選するから」(長野市の50歳会社員女性)――などの投稿があった。
参院選の投票率は1989年は65・02%だが、前回16年は54・70%。公益財団法人「明るい選挙推進協会」(東京)が、前回投票を棄権した約500人に複数回答で理由を聞くと、多い順に「選挙にあまり関心がなかったから」(27・1%)、「仕事があったから」(25・0%)、「政党の政策や候補者の人物像など、違いがよくわからなかったから」(24・6%)、「適当な候補者も政党もなかったから」(22・9%)と続いた。
同志社大の飯田健教授(政治行動論)によると、投票するかどうかは、投票で望む政策や社会が実現するかもしれないという「利益」が、投票する時間や労力の「コスト」を上回るかで決まるという。
かつては支持する政党に投票…
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