山口)棚田の担い手「若者来ない」 長門・油谷

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伊藤宏樹
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 日本海を見下ろす高台に、曲がりくねった田んぼが階段のように続く。「日本の棚田百選」に数えられる山口県長門市油谷(ゆや)の東後畑(ひがしうしろばた)地区。油谷には安倍晋三首相の父晋太郎さんや、祖父寛さんが眠る墓所がある。首相は施政方針演説で、農業振興策を語るくだりで「美しい棚田を次世代に引き渡す」と毎年のように話している。

 「風景はいいけど、年を取ったら大変なところ。もう少し力を入れて担い手対策をしてもらわんと、『かったるい眺めだな』となる日も近い」。黄緑色の稲が揺れる棚田で、永松泰(やすし)さん(83)はため息をついた。

 この春、作付けしたのは約2ヘクタールの半分ほど。体が年々思うように動かなくなり、田植えの準備時期にため池の工事も重なったためだ。水がなく、雑草が生えたままの棚田も目立つ。

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 永松さんは1歳下の妻と2人…

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