交番襲撃、語り始めた巡査 「倒れた状態で何度も」

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長富由希子 光墨祥吾 永野真奈
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 大阪府警吹田署の千里山交番で巡査が刺され拳銃を奪われた事件は16日で1カ月になる。意識不明の重体だった古瀬鈴之佑(こせすずのすけ)巡査(26)は回復が進み、あの朝、何が起きたのか語り始めた。府警は交番襲撃に備えた抜き打ち訓練に着手するなど対策を進める。

 捜査関係者によると、古瀬巡査は襲撃時の状況について、「バイクにまたがった直後、男に『おい』と声をかけられ、襲われた」と証言。腕や胸など7カ所の刺し傷については「倒れた状態で何度も刺された」と話したという。現場には古瀬巡査が乗ろうとしていたバイクが倒れていた。古瀬巡査は、飯森裕次郎容疑者(33)とみられる男からの空き巣の虚偽通報で、先に出動した上司2人を追って、現場へ向かおうとしていた。

 凶器に使われた包丁は古瀬巡査の左肺を貫通して心臓に達し、肺の一部を摘出する手術を受けた。古瀬巡査は今月上旬、搬送先の病院からリハビリのための病院に移り、徐々に回復している。

 一方、飯森容疑者は2日から事件当時の精神状態を調べるため、約3カ月の鑑定留置に入った。捜査関係者によると、都内に住む飯森容疑者は事件の2日前には吹田市内のホテルに泊まり、母親に「大阪で考えたいことがある」とのメッセージをLINEで送っていたとされる。鑑定留置前の調べでは、体調を尋ねる問いかけにはうなずくものの、事件には黙秘を続けたといい、動機の解明は長期化する見通しだ。

■精神疾患への偏見に不安…

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