子どもの自殺、再調査でいじめ認定相次ぐ 遺族も不信感

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高橋昌宏 土井良典 矢島大輔
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 子どもが自殺した原因や背景を調べるため、教育委員会が作った第三者委員会などの判断が再調査を経て覆され、「いじめが原因だった」と認定される例が続いている。遺族からの不満もあり、第三者委員会のあり方はいじめ防止対策推進法の改正に向けた焦点の一つだが、国会議員の議論はストップしている。

 「やっと長いトンネルの出口が見えました。長く苦しい2年10カ月でした」

 仙台市立中2年だった息子が2016年2月に自殺した男性は、昨年末の会見でこう語った。この日、市の第三者機関「いじめ問題再調査委員会」が、いじめを認定して「(自殺と)強い因果関係があった」と答申した。

 息子が命を絶った直後から、市教委はいじめが原因となった可能性に否定的な立場を取った。発生翌日の会見で、市教育長(当時)は「継続したいじめで自殺に至ったというものではないだろう」と発言した。

 約2カ月後には市教委が設けた第三者委が立ち上がったが、議論は原則非公開だった。17年3月の答申は、部活の後輩から「キモイ」と言われたなどの事実を認定。「いじめによる精神的苦痛が理由の一つ」としながら、詳しい経緯や加害者を明らかにしないまま、男子生徒については「発達上の課題があり、からかいの対象になりやすかった」とした。

 「いじめられて当然と、自分…

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