「なぜここに?」 陸上イージス計画に揺れる街

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西畑志朗
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 平成から令和へ移り、初の参議院選挙が21日に投開票される。今、一票に何を託すのか。様々な課題の現場を記者たちが訪ねました。

 夕方、住宅街の公園に子どもたちの歓声が響く。約2万8千人が暮らす秋田市の新屋勝平地区。地区は今、隣接する陸上自衛隊新屋演習場への陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」配備計画を巡って揺れている。

 演習場から直線距離で500メートル。小規模保育所と学童保育施設を運営する「エンジェルハウスかつひら」は、約40人の子どもたちを受け入れている。

 保育補助の佐藤かおりさん(32)と石川みずきさん(23)は「なぜここに?」と口をそろえる。市によると、地区には12歳以下の子どもたちが約2700人。「学校も保育園もたくさんある。国の防衛に必要でも、ここまで街に近い場所につくる必要はないのでは」。

 2人は生まれも育ちも秋田。石川さんは「何もないけど平和な場所」、佐藤さんは「遊ぶところが少ないなど不満はあるけど、秋田が好き」と話し、離れるつもりはないという。

 一方で、若者の流出は県庁所在地の中心部から近いこの地区でも課題だ。高橋摩美園長(50)は「若い人が定住しない、残らない。いい街だけど、もっと活気がほしい」。

 周辺の16町内会でつくる「…

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