48歳手取り10万 厳しい自立 「元」ひきこもりの今

有料記事ひきこもりのリアル

上田潤
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 平成から令和へ移り、初の参議院選挙が21日に投開票される。今、一票に何を託すのか。様々な課題の現場を記者たちが訪ねました。

 名古屋市中川区の奥村義行さん(48)は、自動車下請け工場で働いていた22歳の時、自宅の部屋にひきこもるようになった。直接の原因は自分でも分からない。ただ平日夜に寝られなくなったり、出勤前に吐いたりする症状が続いていた。

 昼夜逆転した生活。同居していた家族との会話もなくなった。6畳間の万年床の上でぐるぐると同じことばかり考えていた。自殺を考えたり、思いとどまったり。部屋に練炭を置いたこともあったが、「死ぬ勇気がなくて」諦めた。

 部屋にずっといることが、特別変だとは思わなかった。たばこを買いに深夜に外出もしていた。2005年ごろ、妄想や思い込みに縛られはじめ、「自分は病気かな」と思い始めた。近所の漫画喫茶のパソコンで病院について調べ、精神科を受診しようと決意した。ひきこもってから12年以上がたっていた。

 受診後もなかなかひきこもり

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