ゲノム編集で肉厚マダイ、クエは大量養殖 近畿大水産研
勝田敏彦
6月13日午後、和歌山県白浜町の近畿大学水産研究所。入り江のほとりにある実験室では、研究室のメンバーが高級魚クエの受精卵を顕微鏡でのぞき込んでいた。
研究室の鷲尾洋平助教(35)と大学院2年の大浜光希(みつき)さん(24)が、アクリル板の細い溝に並べた、受精卵一粒一粒にガラス製の針を刺している。ゲノム編集用の分子を注入する神経を使う作業だ。生命科学で今、最も注目されている最先端技術「ゲノム編集」の現場だ。
クエは若いころは雌しかおらず、卵の元となる細胞しか持っていない。卵になるはずの細胞をゲノム編集で精子へと変え、人工授精して通常よりも早く繁殖できるようになれば、大量に養殖して高級魚が庶民の食卓に並ぶようになる。
ここから続き
研究室を主宰する、家戸敬太…
【お得なキャンペーン中】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら