ネット空間、過激さでウケ狙い 狭い共鳴に酔う政治家 

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太田成美
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 参院選公示前の6月30日、動画配信サイト「ニコニコ生放送」で中継された党首討論自民党総裁安倍晋三首相が「12年前の参議院選挙、私たちは大敗し、国会はねじれ、『あの』民主党政権が誕生しました」と語ると、手元にあるスマートフォンの画面は即座に表示される視聴者のコメントであふれかえった。

 「あのwww」「例のあの」「あの!」「暗黒時代」――。「あの」は首相が民主党政権を揶揄(やゆ)するお決まりの枕ことばだ。インターネットやSNS空間をのぞくと、攻撃的な言葉が飛び交い、それを意識した言葉を発する政治家も目立つ。言葉が強くなればなるほど「炎上」しやすいが、注目も集まる。首相周辺は「首相はネットの反応をかなりチェックしている」と明かす。

 大阪本社社会部で2014年から4年間勤務した私は、大阪での「維新1強」の勢いを目の当たりにしてきた。維新の議員も、言葉に過激さがある人が多かった。時に不祥事や失言もあったが、選挙で勝利すると、そうしたことが、まるでなかったことにされる危機感を覚えた。安倍政権にも重なる風景だ。

 「戦争しないとどうしようもなくないですか」。北方領土のビザなし交流で酒に酔って発言し、日本維新の会を除名処分となった丸山穂高衆院議員(大阪19区)も、SNSを多用する議員の一人だ。

政治家の失言・暴言はネット上だけの問題ではありません。記事の後半では、問題発言を繰り返した末、辞任に追い込まれた桜田義孝・前五輪相の地元にも迫ります。

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■ツイートには「応援」も次々…

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