遺伝の法則「優性・劣性」変更を 誤解招くと学術会議

合田禄
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 高校生物で学ぶべき用語について、日本学術会議の分科会は8日、遺伝の法則の「優性・劣性」という表現を「顕性・潜性」と改めるよう提言する報告書をまとめた。遺伝の特徴に過ぎないのに、優劣があるかのような誤解を招きかねないため。教科書の出版社は今後、提言を参考に書き換えを検討するとみられる。

 表現をめぐっては、日本遺伝学会が2年前に用語集を「顕性・潜性」に改訂。学術会議の分科会は、顕性・潜性が定着するか見極める方針だったが、使われる例が増えつつあるとして、「優性・劣性は将来的に使われなくなる」とした。

 分科会はまた、「神経」「脳」「心臓」「花」といった用語も高校生物で学ぶべきリストから外した。中学の段階ですでに学んでいるためという。学術会議は2年前に用語を約2千語から512語に絞り、今回で494語になった。用語の一覧は学術会議のホームページで公開されている。(合田禄)

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