サッカー王国、代表と国民に微妙な溝 監督にブーイング

有料記事

編集委員・潮智史
[PR]

 サッカーの南米選手権は7日、地元ブラジルが2007年大会以来、9度目の優勝を遂げて幕を閉じた。自国開催した過去4大会はすべて頂点に登り詰めた。優勝を課された重圧の中で、その歴史をまたひとつ重ねたことになる。

 前半2―1とリードしながら、ブラジルに暗雲がたれ込めたのは後半25分だった。1点目をアシストし、さらに追加点を決めたガブリエルジェズスが2回目の警告で退場処分となった。

 したたかで、すきのない強さを王国が見せたのはここからだった。

 残り時間は20分。ペルーにボールを持たれることは許しても、とにかく時間をかけさせた。ゴール前で体をぶつけ、至近距離からはシュートを自由に打たせなかった。

 巧みだったのは、試合運びだ。ゴールから遠ざけるように、左サイドから相手陣深くにボールを運んではゲームを切った。反則を誘ってFKを得たかと思えば、つなげないと判断すればスローインにした。

 攻守が入れ替わって、カウンターを受けるのは避けたい。悪くても、相手ボールのスローインに逃げて、試合を止め、時計の針を進めた。

 勝利を決定づける3点目は、やはり左サイド深くからのスローインから始まっている。ドリブルが持ち味のエベルトンがゴール前に強引に突進して倒され、PK。後半45分の追加点で、ペルーの反撃意欲をへし折った。

 大団円となったが、チチ監督を含め、ブラジルは常に批判にさらされてきた。決勝のキックオフ前、チチ監督の名前がアナウンスされるとブーイングが起きていた。

ここから続き

 セレソンと呼ばれる代表とフ…

この記事は有料記事です。残り627文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【お得なキャンペーン中】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら