マリモをマモレ 阿寒湖で22年ぶりの調査、天敵は水草

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高田誠
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 直径15センチ以上の大型球状マリモが世界で唯一、群生する北海道釧路市の阿寒湖。釧路市教育委員会は8月、個体数を22年ぶりに調べる。

 「阿寒湖のマリモ」は国の特別天然記念物に指定されている。阿寒湖のなかでも群生が確認されているのは、北部のチュウルイ湾とキネタンペ湾のみだ。

 市教委は8月25日から1週間、チュウルイ湾で20メートル四方の調査地点を100カ所程度設け、ダイバーが円筒容器(長さ40センチ、直径28センチ)でマリモを採取する。それぞれの地点で容器に収まったマリモの数や大きさ、重さをボランティアの人たちに確認してもらい、全体の個体数を推測する。

 1997年はチュウルイ湾とキネタンペ湾を調べ、直径20センチ以上の大型球状マリモはチュウルイ湾で1万9千個と推定できた。キネタンペ湾では確認できなかった。

 明治期に阿寒湖西部のシュリコマベツ湾でマリモの群生地が発見された。だが、森林伐採で湖に土砂が流入するなどしたため、昭和初期には群生地は西部が消滅、北部のみとなった。環境省のレッドリストの絶滅危惧Ⅰ類に分類されている。

 現在は水質環境が改善され、湖の透明度が増した一方で、マリモの成長を妨げる水草が大量に発生。97年から2011年にかけてマリモの分布面積が28%縮小したことが分かっている。

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 このため市教委は昨年度から…

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