今村さん5年の沈黙へて芥川賞「作風、自然と怪しく…」

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文・山崎聡 写真・江口和貴
【動画】芥川賞に今村夏子さん、直木賞に大島真寿美さん決まる=高津祐典撮影
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 第161回芥川賞に、今村夏子さん(39)の「むらさきのスカートの女」(小説トリッパー春号)が決まった。鮮烈なデビューから9年。長い沈黙の時期もあったが、「一生取れないと思っていた」賞に手が届いた。「すごく自分らしいものが書けた」と喜ぶ。

 日常を淡々と描きながら、どこかしら不穏な空気がただよう。ユーモアと、切実さと。デビュー以来の持ち味だ。「変なもの、怪しいものを書こうと意識しているわけじゃないんですが、自然とそうなってしまうんです」

 受賞作は、ホテルで清掃の仕事をする「わたし」が、近所に住む「むらさきのスカートの女」に奇妙なまでに執着する姿を描く。ひと付き合いが苦手な自身にとって、「すごく自分らしいものが書けた」作品で芥川賞を手にした。

 デビューは鮮烈だった。小説…

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