神は碁の才能を奪わなかった 慣れない左手で全国大会に

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興野優平
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 利き手は右だが、まだ使い慣れない左手で碁石を打った。時折見せる貧乏揺すりも左足だ。

 6日、東京・市ケ谷の日本棋院。第14回朝日アマチュア囲碁名人戦全国大会1日目、栃木県代表の北村広史さん(52)=宇都宮市=は2回戦まで進み、世界アマ囲碁選手権日本代表決定戦で2連覇した兵庫県代表の強豪、江村棋弘さん(39)に黒番中押し負けで敗れた。だが、相手と対局を振り返る場面では穏やかな笑顔を見せた。「相手が格上だった。リハビリのつもりでいたら、ここまで来られた。自分でもびっくりしました」

 今年4月まで病院のベッドにいた。右半身にマヒが残り、いまも週に2回、リハビリに通っている。

 元々、アマ本因坊戦で全国8強に進出するほどの腕前。4歳で父から手ほどきを受けて、囲碁にのめりこんだ。

 昨年11月、対局中に倒れて、救急車で搬送された。この場にいた10年来の友人、山本広斉さん(37)が同乗して付き添った。脳内出血を起こしていた。

 北村さんは車いすに乗って…

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