東京)二重被爆を伝える試み 調布市で上映会

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小林太一
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 広島と長崎で二度被爆した「二重被爆者」の思いを伝える映画の上映会や遺族による講話会が、今月中旬、東京都調布市で開かれる。同時に披露する朗読劇の出演者が調布市在住の縁で開催が決まった。上映されるのは、二重被爆の取材を続ける映画監督の稲塚秀孝さん(68)がこの夏公開するドキュメンタリー作品だ。

 稲塚さんは、二重被爆者の体験を残し、伝えていこうという活動を続けている。2004年ごろ、仕事仲間を通じ、二重被爆者の存在を知った。話を聞こうとしたがなかなか見つからず、取材を申し込んでも「あんな悲惨な記憶は思い出したくない」「経験は墓場まで持っていきたい」と断られることが多かった。

 だが、被爆者の手記をまとめた文集に載っていた長崎市の山口彊(つとむ)さんに手紙を書き、取材が実現。山口さんのもとに通い続け、映画「二重被爆」(06年)、「二重被爆~語り部・山口彊の遺言」(11年)を制作した。「人間の世界に核はいらない。人間に制御できないのが核だ」が山口さんの口癖だったという。

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 10年に山口さんが93歳で…

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