謝りたい母へ、見せたかった初のフライト「喜んだかな」

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小川崇
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 日本航空3005便、成田発伊丹行きは、関東上空、8500メートルを順調に飛行している。

 「トウキョウコントロール、フライトレベル280」

 「ラジャー」

 副操縦士の鈴木諒(りょう)さん(32)は、コックピットで管制官と無線でやりとりした。

 4月9日、初めてのフライトだった。制服のポケットには、45歳で亡くなった母・裕子さんの写真を入れていた。

 「バカ」「うっせえ」。母が倒れたのは高校2年のとき、理由もなく反抗している時期だった。京都への修学旅行中に知らせを受け、秋田の実家に夜行列車で引き返したが、意識を取り戻すことはなかった。くも膜下出血だった。

 母に謝りたい。

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 嫌っていたわけじゃないんだ…

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