日本政府「我慢の限界」、韓国に強硬措置 元徴用工問題

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鬼原民幸 箱谷真司 大川洋輔 ソウル=武田肇
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 日本政府が、韓国への輸出規制強化に踏み切る。半導体製造に使われる素材3品目の輸出規制は、半導体が主力輸出品の韓国には打撃だ。韓国人元徴用工らへの損害賠償問題への事実上の対抗措置で、参院選公示を前に明確な姿勢を示す狙いもある。だが、韓国だけでなく3品目を扱う日本企業などにも影響を懸念する声が広がる。

 今回の対抗措置は、韓国側との事前の協議を経ずに決まった。日本政府関係者は「もう我慢の限界だったということだ」と述べた。

 元徴用工問題での韓国大法院(最高裁)の判決を受け、日本政府は5月、日韓請求権協定に基づき日韓と第三国による仲裁委員会の設置を求めた。韓国側は期限の6月18日までに仲裁委員を任命しないまま、19日に日韓企業が資金を出し合う案を発表した。日本側には「いくら待っても、文政権ではこの程度の案しか出てこないことがわかった」(政府関係者)との落胆が広がった。

 日本は同日、新たに日韓以外の第三国のみの仲裁委員会設置を求めた。その上で6月29日に閉幕した主要20カ国・地域首脳会議G20サミット)までに韓国政府に対応策を示すよう求めたが、回答はなかった。経済産業省幹部は1日、「G20サミットが(韓国の対応を待つ)期限だった」と説明した。

 4日に参院選の公示を控える政権としては、この問題に毅然(きぜん)とした対応を示す狙いもあり、G20サミット閉幕の直後に対抗措置を打ち出した。

 日本政府内にはエスカレートする事態を懸念する声もある。ある外務省幹部は「(日本の対抗措置に)韓国で批判が巻き起これば、話し合う余地が完全になくなってしまう」と話す。鬼原民幸

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■企業側「影響はかりかねる」…

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