食に「罪の意識」オリンピック選手が語る6年間の無月経

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松本千聖
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 やせて食べる気力が失せ、月経が止まっても気にしなかった。五輪出場が何より優先だった――。シドニー、アテネと五輪に2大会連続出場した新体操元代表選手の女性は、無月経が続くことの健康リスクを知った今、自戒を込めつつ、大学で後進の指導にあたっている。

 村田由香里さん(37)は、高校時代に全日本選手権で上位入賞するなど将来を期待された。18歳で五輪を目指して上京した。「まずは体重を落とさないと代表に選ばれる資格はない」。代表候補に選ばれて最初の練習でこう言われた。

 周りの選手は厳しい減量を自らに課していた。練習の際は体重測定があった。村田さんは思春期を過ぎてふっくらした体つきなのが気になった。

 自炊だったので食事量を減らした。激しい練習。貧血でふらふらになりながら練習に行くうちに、周期が不順だった月経が来なくなった。身長164センチ、上京時に49キロあった体重は43キロに落ちた。

 それでも気に留めなかった。練習以外で外に出たり、食事したりする気力も失せたが、五輪に出るには細く、美しくならなければいけないと信じていた。「体重の目盛りが頑張りの指標になっていた。食べることに罪の意識があった」

 2000年のシドニー五輪は…

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