ぽっかり残る昭和の横丁 名古屋「ボンボンセンター」

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小山裕一
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 コンクリート造りの建物が立ち並ぶ街並みの一角に、ぽっかりと、時代に取り残されたような空間が残っている。名古屋市営地下鉄桜山駅のすぐ北側にある同市昭和区居酒屋横丁「ボンボンセンター」だ。

 一般的なコンビニエンスストア2店ほどの広さに、約10店がひしめく。コンクリートの平板が敷き詰められた細く、曲がりくねった路地。鉢植えやプランターが並ぶ中、レトロな看板が青く光る。店の奥からは「いらっしゃい」と、大きな声が響く。映画やテレビドラマの撮影に使えそうな街角だ。

 ボンボンセンターができたのは、伊勢湾台風の翌年の1960年。横丁の入り口にあった喫茶店で、名古屋市東区に本店がある「ボンボン」の桜山店が名の由来だ。

 10年前、雨宿りでこの喫茶店に入ったことがある。店内は中2階と半地下のフロアがあるロフト形式で、まるで山小屋のよう。昭和チックな雰囲気の中、コーヒーをすすったことを思い出した。2013年の「あいちトリエンナーレ」の際、歴史的に価値のある建築物を訪ね歩くイベントでは、この店も紹介された。

 喫茶店は、店の責任者の高齢…

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