男社会だった文学界 「男性の専売特許」に女性やすやす

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興野優平 中村真理子
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 第161回芥川賞・直木賞の選考会が17日に開かれる。今回の直木賞は候補6人がすべて女性となった。候補者全員が女性となったのは、芥川賞を含めて初めてだ。日本社会と同様、長く男社会だった文学界を変えたのは何だったのか。

 今回の直木賞の候補作は、中年男女の穏やかな恋愛小説、仕事と出産の選択に悩む女性を描いた作品、江戸時代の大坂の文楽を扱った時代小説など、テーマもスタイルも多彩だ。

 候補作を選ぶ「下読み」担当の編集者は「残ったのがたまたま女性ばかりだった」という。直木賞受賞者で、現在選考委員を務める桐野夏生さんは「偶然だと思う。それだけ女性作家に実力があるということ。候補が全員女性ということで驚かないでほしいし、驚く世の中であってほしくはない」と受け止める。

 両賞とも歴代受賞者を振り返れば圧倒的に男性が多い。芥川賞が男性121人に対し女性48人、直木賞が男性145人に女性44人。

 芥川賞は純文学の新鋭に、直木賞はエンターテインメント小説の中堅に贈られる。数ある文学賞の中でも両賞はひときわ注目され、文壇を形作った。その文壇はまさに男性のものだった。

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 流れが大きく変わり始めたの…

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