犬猫にマイクロチップ義務化 健康被害を懸念する声も

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太田匡彦
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 ペットショップなどで売られる犬や猫に、マイクロチップの装着が義務づけられることになった。義務化を主導した「自民党どうぶつ愛護議員連盟」(会長・鴨下一郎衆院議員)は、迷子になっても飼い主の元に戻れるようにしたり、遺棄を防いだりするためとしている。体の中に入れても、健康には問題がないのだろうか。

 チップは直径約2ミリ、長さ10ミリ前後。注射器に似た器具を使って皮膚の下に入れる。現状では、獣医師だけが装着できる。

 6月に成立した改正動物愛護法で義務づけられたのは、繁殖業者が出荷・販売する子犬・子猫と、繁殖用の犬猫だ。3年以内に詳細な仕組みを定めて、実際に導入が始まる。繁殖、販売、所有の履歴を管理することも可能になる。

 だが動物愛護団体からは、義務化が必要かどうかの検討が不十分で、法改正は拙速だとの批判が出ている。まず懸念するのは健康被害だ。

 公益社団法人「日本動物福祉協会」の町屋奈(ない)・獣医師調査員は「皮膚に針を突き刺すので痛みを伴うことはある」と説明する。挿入後については、「犬猫の皮下組織の多くは脂肪なので、痛みはほとんどないと考えていい」。義務化を要望した日本獣医師会は取材に、「動物への障害はほとんどない」と説明し、環境省は「副作用はほとんど報告されていない」とする。

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 だが、NPO法人動物実験

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