「最重点市場」で巻き返しへ カギ握る「NEV」と協業

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竹山栄太郎
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 トヨタ自動車は、世界最大の自動車市場である中国の攻略に本腰を入れている。

 1980年代の進出見送りが響き、独フォルクスワーゲンなどのライバルに水をあけられてきた。電気自動車(EV)などの新エネルギー車(NEV)への対応や、現地企業との協業で追い上げを図る。

 2019年4月にあった上海国際モーターショー。トヨタは、20年に中国で発売するEVのスポーツ用多目的車(SUV)「C―HR」を初公開した。吉田守孝副社長は「中国では初となるEV。かっこいいですよね」と胸を張った。

 中国の18年の新車販売は前年比3%減の2808万台で、28年ぶりに前年割れした。そのなかで、トヨタは14%増の147万台を売った。セダンの「カムリ」や高級ブランドのレクサスが好調だった。

 ただ、400万台前後を売ったフォルクスワーゲングループや米ゼネラル・モーターズのほか、日系首位で156万台の日産自動車にも及んでいない。

 中国政府は大気汚染対策や産業振興の観点から、EVを中心とするNEVの普及に力を入れる。19年からは一定比率のNEVの生産を義務づける規制が始まった。

 中国での追い上げにEVは欠かせず、トヨタも他地域に先駆けて中国でEVを投入することを決めた。

 トヨタは中国で、現地メーカーの第一汽車、広州汽車との合弁会社で車をつくっている。18年の中国での生産は131万台。今後、天津工場にEVとプラグインハイブリッド車(PHV)の新ラインをつくるほか、広州工場でも生産設備を増やす計画がある。中国生産を20年代前半に200万台規模に増やす方針だ。

 トヨタは80年代、中国政府からの進出の誘いを「米国で手いっぱい」と断った。それが響き、本格的な中国進出は00年以降にずれ込んだ。だが近年、主力の日本や米国での販売が頭打ちとなるなか、成長が見込める中国を「最重点市場」と位置づける。

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