宮城)閖上の実家跡地に別れ 震災遺族が売却応じる

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編集委員・石橋英昭
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 街の再建が進む名取市閖上で、津波で家族4人を失った遺族が、拒んできた実家跡地の売却に応じることになった。遺族と面会した山田司郎市長が、震災で多くの犠牲者を出した教訓を伝えると約束したことが、遺族のわだかまりを少し解かした。閖上の復興事業で買収や換地が終わっていない最後の土地だった。

 震災の日、同市では防災行政無線が故障し、避難指示の放送が流れず、多数が逃げ遅れたとされる。実家には遺族の両親らが住んでいた。

 その跡地は面積約140平方メートルで、かさ上げされた新市街地の端にある。遺族にとっては、大切な家族が最後にいたかもしれない場所だ。毎年3月11日は立ち寄って手を合わせたいと考え、跡地の売却やかさ上げに応じてこなかった。一昨年まではここで、花や野菜も育ててきた。

 市長との面会は遺族側の要望…

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