「ホワイト国、韓国除外なら日本も悪い」仲裁に動いた米

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ワシントン=土佐茂生 伊藤弘毅 永田大 ソウル=神谷毅
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 米国が、悪化する日韓関係の仲裁に腰を上げた。同盟国がにらみ合う現状は、中国やロシアを利することにつながり、米国の安全保障環境にマイナスだと判断した。韓国は米国の介入を歓迎するが、日本は韓国への譲歩に後ろ向きで、事態が好転するかは見通せない。

 ポンペオ米国務長官は30日、バンコクへ向かう機内で、「日韓それぞれが、良い場所を見つけられるよう手助けすることが出来れば、米国にとって大切なことだ」と記者団に語った。

 日韓対立について、米国は韓国政府から何度も仲裁を頼まれてきた。当初は積極的に仲裁せず、静観する構えだったが、対立の激化を受けて東アジア地域における米国の安全保障リスクに対する懸念が強まった。

 23日にはロシアと中国の爆撃機が日本海と東シナ海の上空で、初めて共同警戒監視活動を実施。日韓のあつれきにつけ込もうとした可能性がある。また、日韓が軍事技術や戦術データなどの防衛情報を共有することを定めた軍事情報包括保護協定GSOMIA)が破棄される恐れまで出てきている。米国にとって、こうした事態は、同地域における覇権が弱体化し、中ロを利することにつながる。

 米政府関係者によると、米側は、安倍政権が2日にも韓国を「ホワイト国」から外す閣議決定をすることを憂慮している。この関係者は「米国は日韓問題について、これまで『韓国側が悪い』と考えてきた。しかし、安倍政権がホワイト国から除外する手続きを強行すれば、米国の立場は『日本も悪い』と変わるだろう」と警告する。(ワシントン=土佐茂生)

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