福島)第二原発廃炉が正式決定 知事「大切な節目の日」

石塚広志 床並浩一 江川慎太郎
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 東京電力は31日、取締役会で福島第二原発(富岡町、楢葉町)の全4基の廃炉を正式に決定。小早川智明社長は県庁を訪れ、内堀雅雄知事に伝えた。第一原発6基と合わせ、県内にある原発10基はすべて廃炉となる。知事は「県民にとって大切な節目の日となった」と述べた。

 取締役会は同日午前に東京の本社で行われ、終了後、小早川氏は昨日に引き続き県庁を訪問し、内堀知事と面会した。小早川氏は「廃炉の期間はできる限り工程を短縮し、使用済み燃料は全量を県外に搬出したい」と従来の方針を述べた。内堀知事は「県内原発の全基廃炉を安全に着実に進め、約束をしっかり実行してほしい」と求めた。

 終了後の会見で、内堀知事は「原発事故以降、幾度も幾度も要請を重ねてきた結果、それが形になった。県民の強い思いが実現した大切な節目の日となった」と述べた。一方、「全基廃炉には残念ながら長い期間がかかる。約束を実行するよう、国、東電に対し、引き続き強く訴えていきたい」と語った。

 その後、小早川氏は富岡と楢葉両町を訪問し、両町長にも同様の報告をした。面会後、富岡町の宮本皓一町長は報道陣に「ようやく廃炉の玄関口に立った。電源立地の交付金に代わる財源を国に要請していきたい」と話し、楢葉町の松本幸英町長は「資機材の地元調達や廃炉作業の地元企業優先などを事業者に求めていく」と述べた。(石塚広志、床並浩一、江川慎太郎)

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