「親の顔が見たい」 いじめ自殺、教員らが演じる攻防劇

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杉原里美
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 中学生のいじめ自殺をテーマにした舞台「親の顔が見たい」が、22日から川崎市で公演される。いじめグループの保護者たちを演じるのは、現役の教員らだ。被害生徒の遺書をめぐる保護者と学校側の攻防劇に、演出家は「誰もが『我がこと』ととらえてほしい」と願いをこめる。

 「親の顔が見たい」は、劇作家で高校教師の畑沢聖悟さんが描いた対話劇で、2008年に初演された。私立女子中学校の生徒がいじめを受けて自殺し、遺書で名指しされた女子グループの保護者8人が、学校の会議室に集められる。校長や学年主任らを交えた話し合いの中で、事実が次々に明らかに。実は、いじめを主導していた生徒の親は……。

 今回の公演は、16年にこの劇を演出した経験がある長野県軽井沢在住の演出家まんぼさん(40)が、「教師が親の立場を演じることで、多角的な見方ができるのではないか」と、演劇教育で知り合った教員らに声をかけて実現した。プロの俳優に加えて、20代から60代までの教員や元教員7人が出演している。

 稽古は3月末、全員でいじめについて議論することから始まった。

苦い思い糧に

 保護者の祖父役を演じる萩坂心一さん(61)は、元高校教諭。議論では、現役時代の苦い経験を思い出して「つらかった」という。

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 高校2年のクラスを担任して…

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