自宅に洪水来たら…「ういてまて」 医師ら伝える救助法

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小沢邦男
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 台風の季節。もし自宅に洪水が押し寄せたら――。海や川で溺れた時と同様、「ういてまて」が最も効果的だとして、水難救助の専門家らが普及を急いでいる。きっかけは昨年の西日本豪雨だ。

 実家近くで洪水が起きた場合、離れて暮らす息子は高齢の両親にどんな言葉をかけたらよいのか――。一般社団法人「水難学会」が昨秋発行した機関誌には、その一例が示されている。

 救命胴衣を着けるよう促した後で息子は言う。「お父さんは足が悪いから自力で階段を上がれないけど、浮いてさえいれば、水位の上昇とともに2階に上がれる」

 書いたのは、水難学会メンバーで愛媛県八幡浜市の市立八幡浜総合病院の医師・越智元郎(げんろう)さん(66)。長く救急災害医療に携わり、海や川で溺れた場合に備え、服を着たまま水面に仰向けで浮き、助けを待つ方法の普及に努めてきた。

 「着衣泳」と名付け、学会メンバーの救急救命士らが全国の小学校などで講習会を開催。「ういてまて」は着衣泳を子どもにも分かりやすいように言い換えたものだ。

 越智さんらは「まずは避難が第一」としたうえで、洪水などで自宅内に水が押し寄せ、屋外へ流される恐れが少ないケースでは「ういてまて」が有効だとする。毎年講習を受けていた宮城県東松島市の小学校では、東日本大震災で児童が避難した体育館に津波が押し寄せた際、「ういてまて」を実践して助かった児童や教員がいたという。

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 具体的には次のような動きを…

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