米朝実務者協議再開へ トランプ氏「2~3週間以内に」

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園田耕司 ソウル=神谷毅
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 トランプ米大統領は30日午後、韓国と北朝鮮を隔てる軍事境界線上にある板門店を訪れ、金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長と約50分間、会談した。米朝の首脳会談は2月のベトナム・ハノイに続いて3回目。トランプ氏はハノイで決裂した北朝鮮の非核化協議に関し、「2、3週間以内に(実務者)チームをつくって再開する」と述べ、正恩氏と合意したことを明らかにした。

 トランプ氏は会談に先立ち、軍事境界線を挟んで、北朝鮮側から歩いてきた正恩氏と向き合って握手した後、現職の米国大統領として初めて約1分間、北朝鮮の地に足を踏み入れた。米韓は1950年に始まった朝鮮戦争で北朝鮮、中国と戦った。3年後に休戦協定を結んだが平和協定はなく、今も「戦争状態」にある。米軍を統率するトランプ氏の訪朝は、正恩氏が求めてきた体制保証を認めたとも受け取れる。

 正恩氏は北朝鮮に入境したトランプ氏に「史上初めて我が国の地を踏んだ大統領になった。勇断だと思う」と語った。2人は続いて韓国側に入り、待っていた文在寅(ムンジェイン)大統領と握手を交わした。文氏を交えて数分間話した後、近くの韓国側施設「自由の家」に移って約50分間、米朝首脳会談を行った。

 トランプ氏は会談の冒頭、正恩氏に「境界線を越えたことを誇らしく思う」と述べ、「とても歴史的なことだ」と強調した。正恩氏は「長く敵対関係にあった両国が、ここで平和の握手をしたこと自体が、昨日とは違う今日を示している」と応じた。

 トランプ氏は会談後の取材に、正恩氏を米国に招く考えを伝えたと説明。停滞する非核化協議については、実務者協議を再開させることを明らかにした。ただ「協議の速度は重要ではない。急げば交渉はうまく運ばない」と指摘した。

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