板門店会談、水面下で打診か トランプ氏「偉業」狙う?

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園田耕司 ソウル=神谷毅
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 「昨日の朝、トランプ大統領が(会いたいとの)意向を示し、とても驚いた」

 板門店の韓国側施設「自由の家」で開かれた米朝首脳会談の冒頭、正恩氏はこう語った。北朝鮮の非核化をめぐる米朝の協議は、今年2月にベトナム・ハノイで開かれた2回目の米朝首脳会談が物別れに終わって以来、停滞が続いていた。3回目となる今回の首脳会談は電撃的に開催されたが、実は伏線はあった。

 2018年6月のシンガポールで初の首脳会談が開かれてから1年を迎えるころ、正恩氏がトランプ氏に親書を送り、これに対してトランプ氏が返信した。

 このやりとりは、通常とは違うルートで行われた。北朝鮮内部の事情に詳しい複数の関係者によると、北朝鮮は米国務省ではなく、大統領に助言する米国家安全保障会議(NSC)に接触を図った。一方、トランプ氏の返信はニューヨークの北朝鮮国連代表部を通じてではなく、米政府高官がわざわざ平壌を訪れて届けた。親書の交換を通じて、高いレベルの接触が水面下で行われた可能性がある。

 正恩氏はトランプ氏の返信に、「興味深い内容について慎重に考えてみる」と述べた。韓国の北朝鮮専門家は「どちらが先かは分からないが、以前から板門店会談について米朝間でやりとりがあった可能性もある」とみる。

 トランプ氏は今回、現職の米…

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