ひすい色やさしくさっぱり 蒸しナスの冷製、夏の食欲に

ごはんラボ

山本奈朱香
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ごはんラボ 蒸しナスの冷製

 夏野菜のシリーズ2回目は、ナス。幅広い料理に使える野菜ですが、さっぱりと食べたい時にぴったりなのが蒸しナスです。

 蒸す調理法は、たっぷりの水蒸気で食材を包み込んで加熱するので形崩れが少なく、水溶性のうまみや栄養成分も失われにくいといった利点があります。

 セイロや蒸し器がなくても大丈夫。ごはんラボの中国料理監修、吉田勝彦さんに、家庭にあるもので蒸す方法を教えてもらいます。

 用意するのはふたができる深めのフライパンか鍋と、その中に入る大きさの耐熱皿。アルミホイルをぴんと伸ばして皿を覆ったら、ホイル表面に穴を開けます。これで即席蒸し器の出来上がりです。

 ナスはできるだけ重ならないよう皿に並べ、ペーパータオルをかぶせるのがコツ。蒸している間にふたから水滴が落ちて水っぽくならないようにするためです。皮をむくことで口当たりも優しく、冷蔵庫で冷やすと、ひんやりおいしく食べられます。(山本奈朱香)

監修・料理:吉田 勝彦

写真・図版

調理科学 :香西みどり

【材料(2人前)】

□ ナス 3本

□ おろしショウガ 小さじ1

□ 万能ネギ 1本

□ 酢 大さじ1

□ しょうゆ 大さじ1

□ ゴマ油 小さじ1/2

【道具】

□ 包丁とまな板

□ ピーラー

□ 鍋か深めのフライパン

□ 耐熱皿(鍋に入る大きさのもの)

□ アルミホイル

□ ペーパータオル 1枚

□ うちわ

【作り方】

①ナスは色が濃く、ハリがあるものを選ぶ。ヘタを切り落としたら、ヘタと反対側からピーラーで皮をむく。縦8等分にする。

②皿にアルミホイルをぴんと張ってかぶせたら、箸でまんべんなく穴を開ける。その上にナスを重ならないように並べる。

③1カップほどの水を張った鍋に皿を入れる。ナスの上にペーパータオルをかぶせ、タオルがはみ出ないようふたをする。点火したら強火に。沸騰したら中火にして6分待つ。セイロなら強火のまま4分、蒸し器なら6分。空だき状態になるとタオルに火がつく危険性があるので、時間はしっかりはかる。

④火を止めてふたを開け、皿を取り出しうちわであおいで冷ます。ふたを開ける時に水滴でやけどしないよう注意する。

⑤食べる時に、ナスの上にショウガと小口切りにしたネギをのせる。酢としょうゆを混ぜ、ゴマ油を加えたタレをかける。

【アレンジ】

【動画】蒸しナスの冷菜=合田昌弘撮影

◆マーボーナス

 フライパンに油大さじ2、豚ひき肉50gを入れて点火。中火で炒め、色が変わったら火を止めトウバンジャン小さじ1/2、テンメンジャン小さじ1を入れてから弱火で炒める。水1/2カップを入れ強火に。沸いたら蒸しナス3本分を入れ、おろしショウガ小さじ1、おろしニンニク小さじ1/2、みじん切りにしたネギ30gを入れて炒め、酒大さじ1、しょうゆ大さじ1/2を加えて少し煮詰める。火を止め、片栗粉大さじ1/2を水大さじ1で溶いたものをまわし入れて混ぜ、再び点火して少し炒める。火を消し、酢小さじ1を入れ混ぜ合わせたら完成。

Cookery Science

 一般的には野菜は冷蔵保存が良いが、斑点が出たりしわしわになったりする「低温障害」を起こす野菜もある。気温が高いところで育った野菜は細胞膜が異常な状態になるため。野菜により障害が出るまでの期間は違うが、ナスなら1週間程度の冷蔵保存で食べきる。

Q&A

 野菜は冷蔵庫に入れておいても悪くなることがあります。保存についてNPO「青果物健康推進協会」の近藤卓志事務局長に聞きました。

     ◇

 野菜は収穫後も生きています。人に例えると、飲まず食わずで自分のエネルギーを使っている状態。時間とともに必ず劣化するので、冷蔵庫の野菜室に入れて早く食べきるのが基本です。

 すぐに食べられない時は、硬めにゆでて冷凍した方がおいしさが保てる野菜もあります。今回のナスは向きませんが、今が旬の枝豆は、新鮮なうちに皮ごと硬めにゆでて冷凍するのがおすすめです。食べる時にもう一度さっとゆでると、生のまま冷蔵庫で保存し続けるよりも、おいしく食べられます。

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