学術誌の電子版高騰、大学悲鳴 「論文読めぬ」研究に影

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合田禄 野中良祐
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 研究者が論文を載せる学術誌の値上げが特に電子版で相次ぎ、大学の図書館が学術誌や本の数を減らさざるを得なくなっている。有名私大クラスでも学術誌や本をそろえられなくなり、研究に支障が生じ始めた。研究格差が広がりかねず、文部科学省は7月中にも、検討部会を立ち上げて対策に乗り出す。

 文科省が全国786大学の図書館を調べたまとめでは、2017年度の購入総額713億円のうち、電子版の学術誌は297億円。10年間で総額はほとんど変わっていないのに、電子版は年7~8%ともいわれるハイペースで値上げされ、約2倍になった。紙の学術誌をやめても専門書や単行本などを買えなくなり、紙の本の購入額は166億円と6割に減った。

 電子版が高騰するのは、世界的な論文増で電子版のみの学術誌がどんどん創刊され、各出版社の電子版すべてを読めるパッケージ契約の価格が上がっているからだ。海外の大手出版3社が世界シェアの大半を握る寡占になっていることも一因とされる。

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