自立促す手紙、ビリビリに 容疑者が反発か 川崎殺傷

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神宮司実玲 太田泉生 斎藤茂洋
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 川崎市多摩区の路上で5月28日、私立カリタス小学校の児童ら20人が殺傷された事件で、ひきこもり状態だった岩崎隆一容疑者(51)=事件直後に自殺=に対し、同居していた伯母が今年1月、自立を促す内容の手紙を2度渡していたことが神奈川県警への取材でわかった。うち1通は破られた状態で見つかり、岩崎容疑者は手紙の内容に反発した様子だったという。

 伯母は昨年11月、川崎市精神保健福祉センターからコミュニケーションの手段として手紙を書くことを提案されていた。

 県警によると、伯母は1月2日と7日に「自立してはどうか」という趣旨の手紙を渡した。岩崎容疑者は8日、「自立しているじゃないか」と反論。2日の手紙はビリビリになって家の中で見つかった。

 翌2月には、岩崎容疑者が事件現場に持ち込んだ刃物4本を東京都町田市と川崎市麻生区の量販店3店で購入した可能性があるという。

 岩崎容疑者は生まれてまもなく両親が離婚。小学6年生のころから不登校になり、中学校にもほとんど通学していなかった。

 中学卒業後の一時期に、複数の工場やマージャン店で働いたとみられるものの、事件当時に働いていた形跡はなかった。2014年ごろ、約70万円を遺産相続。事件当時は約10万円を所持し、本人名義の銀行口座に約24万円が残されていた。普段は伯父伯母に小遣いをもらうなどして生活を続けていた。交友関係も確認できていないという。

 岩崎容疑者は5月28日午前7時40分ごろ、川崎市多摩区の路上で、スクールバスを待っていた児童らを刃物2本で襲ったとされる。私立カリタス小学校6年栗林華子さん(11)=東京都多摩市=と、別の児童の保護者で外務省職員の小山(おやま)智史さん(39)=東京都世田谷区=が死亡。同小の男児1人、女児16人の計17人と、保護者の無職女性=東京都世田谷区=が負傷した。

 現場周辺や最寄り駅の防犯カメラを調べたところ、事件4日前と6日前に容疑者とみられる男の姿が確認され、県警は下見をしていたとみている。

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