財務省「再生プロジェクト」 変わるか「内向き体質」

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岩沢志気
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 森友学園の文書改ざんや前事務次官のセクハラの問題など一連の不祥事に関連して、財務省は27日、再発防止策の進行をチェックする有識者会議の設置などを盛り込んだ報告書を公表した。公文書管理の人員や法令順守に向けた研修も充実し、組織風土にメスを入れることをうたうが、実効性には課題も残る。

 有識者会議の名称は「再生プロジェクト推進会議」。ボストンコンサルティンググループで今回の報告書のとりまとめにも関わった秋池玲子氏、法令順守の助言をしてきた山口利昭弁護士、経済界から小林喜光・前経済同友会代表幹事の3人を起用した。

 今後、四半期に1回のペースで会合を開いて、財務省側から改革の進み具合の報告を受け、必要な助言をする。会議の期限は決めていない。官庁がこうした内部運営に関して、外部有識者を入れて恒常的な会議をつくるのは珍しい。

 同時に、公文書管理や情報開示に関する改善策も実行に移す。

 これまで各部局では、総務課長が文書管理者を兼任してきたが、今夏の定期異動後、新たに課長補佐級の職員を「主任文書管理担当者」として配置する。今年4月に設けた公文書監理室の人員も増やし、目配りしている人の数を増やすことで、公文書の不正が起こりにくくする。法令順守やハラスメントに関する研修も継続的に行う。

 不正を防げなかった背景に「上意下達」の体質が指摘されてきた組織風土を変えることも課題だ。部下が上司を評価する「360度評価」をすでに導入し、部下の主体性を引き出す「コーチング」の対話術を身につけるための研修も管理職向けに実施する。

 風通しのよい組織をつくるためには、多様な人材が働ける職場とすることが必要だ。このため、働き方改革や業務の効率化にも取り組む。職員提案も募り、実際、提案があった異動の内示のタイミングを変えた。これまで7日前だったものを10営業日前と今夏から変更。引き継ぎ時間を確保して異動後も仕事を進めやすくしたという。

 一連の取り組みについて、進み具合や課題が書かれた報告書を毎年度ごとに公表。職員へのアンケートも毎年実施する。

 ただ、こうした対策が機能するかは不透明だ。

 6月に財政制度等審議会が麻…

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