イラン、欧州に不満あらわ 核合意、履行の停止拡大へ

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テヘラン=杉崎慎弥 ブリュッセル=津阪直樹 ウィーン=吉武祐
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 トランプ米政権との緊張高まる中、イランが来月7日に、核合意のさらなる履行停止に踏み切る可能性が強まっている。イラン政府によると、27日には低濃縮ウランの貯蔵量が核合意の制限を超えるというが、英独仏など合意当事国がイランを踏みとどまらせる材料は乏しい。

 「7月7日に核合意当事国と欧州連合(EU)に、(ウランの無制限濃縮など)第2段階を開始すると通知する」

 イランのザリフ外相は22日、地元メディアにこう語り、核合意の履行停止範囲の拡大方針を明らかにした。イラン政府関係者は「象徴的であれ圧力をかけるために第2段階に踏み出さざるをえない」と語る。

 イランはトランプ米政権が核合意から離脱して1年の5月8日、核合意で定められた濃縮ウランの貯蔵量の上限に縛られないなどとする履行の一部停止を宣言。60日以内に原油取引などで改善が見られなければ、第2段階としてウランの無制限濃縮など、さらなる履行停止に踏み切ると表明していた。

 イラン政府は、欧州の対応次第では履行を再開するとして、核合意にはとどまる姿勢を強調。だが、核合意違反ともとれる履行停止に踏み切らざるをえない背景には、「英独仏などが、米国を恐れて核合意を維持する努力を怠っている」との不信感がある。

 23日には英国の外交団がテヘランを訪れ、イラン外務省のアラグチ次官と会談。原油取引などを続ける仕組みなどを協議したが、イランを満足させることはできなかった。

 会談後、アラグチ氏は「欧州…

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