「強毒ヒアリ」まだ脅威 あれから2年…いまや1万匹

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江戸川夏樹
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 強い毒性があり、生態系を変えてしまう「ヒアリ」が日本の港で初めて見つかってから2年。この間、大阪や名古屋、横浜、福岡など14都道府県の港などで計約1万匹が見つかっており、水際での攻防がなお続いている。特定外来種の脅威とは?

 お尻に毒があり、刺されると、火を押しつけられたように痛いことから名付けられたヒアリ。今年6月18日にも、東京都江東区の青海(あおみ)ふ頭で見つかった。南米原産だが中国や台湾でも野生化し、船のコンテナに乗ってくるという。アリを研究する沖縄科学技術大学院大学の吉村正志・リサーチサポートリーダーは「1カ月程度は食べるものがなくても生き延びる。油脂が好きで、機械の油に惹(ひ)かれている可能性もある」と話す。

 環境省は初夏と秋の年2回、各地の港に捕獲装置を置き、調査を続けている。

 見つかれば殺虫剤や燻蒸(くんじょう)ですぐに駆除をする。子どもを産む女王アリが見つかれば、調査範囲を周辺2キロに広げる。今のところ、倉庫で発見されることが多く、野生で巣は見つかっていないという。

 なぜ、ここまで警戒するのか。ヒアリは毒性が強く、場合によっては全身のアレルギー症状を引き起こす。ヒアリが定着してしまった米国では、公園が立ち入り禁止になるほか、家畜が襲われたり、信号機が故障したり、年間7千億円ほどの被害が出ているという。

 やっかいなのが、ヒアリが好…

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