「国民の誇り」 政情不安のベネズエラ、堂々の8強入り

有料記事

編集委員・潮智史
[PR]

コパの薫り 南米選手権から

 南米選手権は24日で1次リーグが終わり、ベスト8が出そろった。ここから一発勝負のトーナメントが始まる。

 南米連盟所属の10カ国のうち、優勝経験のないのはエクアドルとベネズエラだけだ。なかでもベネズエラは南米で唯一、W杯出場経験のない国でもある。野球が盛んなサッカー小国は、開催国ブラジルと同じ1次リーグA組を堂々と2位で勝ち上がった。

 「ベネズエラの人々に、喜びを届けたい」。決勝トーナメント進出がかかった1次リーグ第3戦を前にした記者会見で、FWアリスティギエタが訴えた。

 長い政情不安が続く母国では、マドゥロ大統領による政府と、グアイド国会議長率いる反政権派の対立が続いている。地下に世界最大規模の油田があり、1970年代には南米で最も豊かな国といわれたが、80年代に貧富の差が広がった。現在は庶民が食料、医薬品、燃料を入手できず、人道危機の状態に陥っている。

 代表チームのほとんどは海外でプレーしており、彼らは国外から惨状を見ている。アリスティギエタは「我々選手もベネズエラ国民であり、議論に加わる権利があるはずだ」とも話した。

ここから続き

 大リーガーを多数生んでいる…

この記事は有料記事です。残り872文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【お得なキャンペーン中】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら