「あと11万ドル、至急だ」巨額マネーが動いた五輪招致

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サンパウロ=岡田玄 パリ=疋田多揚 ローザンヌ=編集委員・稲垣康介
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 2020年東京五輪パラリンピック招致に関する買収疑惑で仏司法当局が訴追に向けて本格捜査を進める中、日本オリンピック委員会(JOC)の竹田恒和会長(71)が27日、退任する。疑惑は晴れぬままの、退場となる。

2億2千万円を仲介、会長を起訴

 「振り込みが確認できない」「26万ドルの受け取りは確認した。しかし、あと11万ドルが至急必要だ」

 朝日新聞が入手した4千ページを超えるブラジルの裁判記録に、こんなメールのやりとりが残されていた。16年リオデジャネイロ五輪招致の不正疑惑に関する刑事裁判だ。

 ブラジル連邦検察は17年、ブラジル・オリンピック委員会会長だったカルロス・ヌズマン氏(77)を、ブラジル企業からセネガル人のパパマッサタ・ディアク氏の関連会社に200万ドル(約2億2千万円)を振り込む仲介をしたとして、起訴した。パパマッサタ氏は、リオが招致に勝った09年当時に国際オリンピック委員会(IOC)委員だったラミン・ディアク氏(86)の息子。ラミン氏は陸上界やアフリカの委員への影響力を誇示していた。

 メールのやりとりは、パパマ…

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