貯金は消えた「倒れたらおしまい」 ある介護世帯の苦悩

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本間ほのみ
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 「貯金も消えた。これはきついよ」。何十枚もの給料明細をめくりながら、和歌山市に住む尹敏哲(ユンミンチョル)さん(67)は苦笑いした。10年近く若年性アルツハイマーの妻(65)を介護している。

 妻が若年性アルツハイマーだと診断されたのは2011年1月。医師から病名を言われた時のことについて、尹さんは「何をしゃべっているのかわからなかった。頭真っ白とはこういうこと」と振り返った。

 1級建築士の資格を持つ尹さんは当時、和歌山市内の建設会社に勤務し、正社員としてフルタイムで働いていた。休みは日曜と祝日。現場監督などを務め、工期のスケジュールによっては徹夜で作業することもあった。「妻の介護で会社に行けなくなる。収入が途絶える。2人で破滅やなと思った」

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