視察から「共産外し」 継続したい自民、県議会は分裂

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吉野慶祐
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 神奈川県議会の委員会調査(視察)に共産党県議を同行させない――。そんな取り決めを維持したい最大会派の自民党と、批判的な第2会派の立憲民主党・民権クラブが県議会で対立している。今後の協議次第で、各委員会の視察が複数に分かれて行われる異例の事態になりそうだ。

 県議会委員会条例は、各委員会が議案の審査や所管事項の調査に役立てるために委員を派遣できると定める。

 4年前の県議選で当選した議員の任期(2015年4月~19年4月)でみると、8常任委と4特別委で県内52回、県外47回の視察が行われた。県外のうち4回は海外だった。

 事の発端は15年7月。県による水ビジネスの可能性を探る目的で常任委が計画したベトナム視察について、委員の共産県議が「県民福祉の向上につながるとは言えない。内容、行き先とも県民の理解を得られない」と発言。「私たちは福祉向上につながると信じている。そこに反対されたら黙っていられない」と反発する自民に他会派も追随し、視察を「グループ分け」することになった。

 共産県議のいる委員会の定例視察は4年間、共産を除いたメンバーで行われた。共産はこの間、「1人で行っても効果的でない」として視察をしていない。火種となったベトナム視察には共産を除く12人が参加、3泊4日で計約608万円かかった。

 事態が動いたのは、4月の県…

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