鳴かせてみるか、鳴くまで待つか ダークマターを訪ねて

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村山斉の時空自在〈6〉

 姿の見えぬお母さん、「ダークマター(暗黒物質)」をたずねる研究が熱を帯びている。

 学校では「万物は原子でできている」と習ったのに、宇宙の物質の8割以上は原子ではなく正体不明のダークマターで、この重力のおかげで星や銀河、私たちが生まれた。ダークマターは小さな「素粒子」ではないかという説が有力だ。太陽さえも簡単に突き抜けるニュートリノのように、ほとんど反応しない小さな粒というわけだ。

 だとすると、ダークマターは私たちの周りを飛び回っていることになる。捕まえて会えないだろうか。ニュートリノの時と同じように、地下に潜って邪魔されない静かな環境でじっと待つ。「鳴かぬなら鳴くまで待とう時鳥(ほととぎす)」。いわば徳川家康流。こうした研究が世界中で進んでいる。静かとはいえ雑音と闘い続けるのは大変だが。

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 一方、「鳴かせてみせよう」…

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